米国株は産業によって11種類の「セクター」に分けられています。セクターの特徴を理解することで適切なタイミングで投資を行うことができます。
11種類のセクターに関する記事はこちらです。

米国株・生活必需品セクターについて解説していきます。
【この記事でわかること】
- 生活必需品セクターの特徴
- 生活必需品セクターの代表銘柄
- 生活必需品セクターの代表ETF
- 別セクターとのリターン比較
米国株・生活必需品セクターについて
生活必需品セクターは生活に欠かせない飲料水や日用品などの商品やサービスを提供する企業で構成されています。飲料水や日用品は常に必要になるので、景気に左右されにくい特徴があります。
代表銘柄は【PG】P&G、【KO】コカ・コーラ、【WMT】ウォルマートなどがあげられます。
生活必需品セクターは景気に左右されにくいディフェンシブな銘柄で構成されているので、P&G、コカ・コーラ、フィリップモリスは半世紀近く増配を続けています。
生活必需品セクターの特徴
生活必需品セクターの特徴は下記の通りです。
- 不況時に強いディフェンシブなセクター
- 連続増配、高配当銘柄が多い
- 商品、サービス理解がしやすい
生活必需品セクターの過去10年リターンは+12.41%でS&P500の+14.55%を下回っています。景気に左右されにくいディフェンシブな銘柄で構成されているので、リターンは安定しています。
生活必需品セクターを代表する【VDC】バンガード・米国生活必需品セクターETFと【VOO】S&P500ETFの過去5年間株価推移グラフは以下の通りです。

過去5年では 【VDC】バンガード・米国生活必需品セクターETF が【VOO】S&P500をアンダーパフォームしています。生活必需品セクターは優れた配当能力をもつ企業が多く、再投資した場合のリターンは変わってきます。
生活必需品セクターは暴落局面で強さを発揮します。2008年のリーマンショックではS&P500が-37%に対して、生活必需品セクターは-15.4%にすんでいます。
生活必需品セクターをポートフォリオに組み込むことで暴落時のクッションにすることができます。
生活必需品セクターの代表銘柄
生活必需品セクターの代表銘柄は以下の通りです。
- 【PG】P&G
- 【KO】コカ・コーラ
- 【PM】フィリップ・モリス
- 【PEP】ペプシコ
- 【WMT】ウォルマート
- 【COST】コストコ
コカ・コーラやP&Gなど日本でもなじみのある企業が数多く組み入れられています。会員制の小売業を展開するコストコも生活必需品セクターに含まれています。
優れた配当能力をもっている企業が数多くあるのが特徴です。
生活必需品セクターETF
生活必需品セクターを代表するETFは以下の通りです。
- 【VDC】バンガード・米国生活必需品セクターETF
- 【KXI】iシェアーズ グローバル生活必需品 ETF
- 【XLP】生活必需品セレクト・セクター SPDR ファンド
ティッカーシンボル | VDC | KXI | XLP |
純資産[十億ドル] | 6.107 | 0.666 | 12.052 |
設定日 | 01/30/2004 | 11/16/2001 | 12/22/1998 |
経費率 | 0.10% | 0.43% | 0.12% |
保有銘柄数 | 99 | 90 | 32 |
直近配当利回り | 2.18% | 2.18% | 2.42% |
過去1年リターン | 17.73% | 15.91% | 15.69% |
過去3年リターン | 12.50% | 10.67% | 12.40% |
過去5年リターン | 10.31% | 8.59% | 10.14% |
過去5年リターンは【VDC】【KXI】【XLP】全て10%前後のリターンを出しています。保有銘柄数に偏りがありますが、リターンに大きく差はありません。
過去5年間の株価推移は以下の通りです。

5年間のリターンはVDCとXLPがKXIを上回るリターンを出しています。生活必需品セクターは成熟した企業が多く株価が大きく上がる可能性は低いです。
それでも配当金を再投資することで資産を最大化させることができます。
【VDC】バンガード・米国生活必需品セクターETF
【VDC】バンガード・生活必需品セクターETFは99社で構成されています。過去5年間で株価は+60.25ドル(46.22%)となっています。
組入上位10銘柄は以下の通りです。
ティッカーシンボル | 銘柄名 | 組入比率 |
PG | P&G | 13.45% |
WMT | ウォルマート | 8.11% |
KO | コカ・コーラ | 8.09% |
PEP | ペプシコ | 7.76% |
COST | コストコ | 7.33% |
PM | フィリップモリス | 4.40% |
MDLZ | モンデリーズ | 3.67% |
MO | アルトリアグループ | 3.65% |
EL | エスティローダー | 3.02% |
CL | コルゲート | 2.76% |
【KXI】iシェアーズ グローバル生活必需品 ETF
【KXI】iシェアーズ グローバル生活必需品ETFは90社で構成されています。過去5年間で株価は+17.54ドル(38.46%)となっています。
組入上位10銘柄は以下の通りです。
ティッカーシンボル | 銘柄名 | 組入比率 |
NESN | ネスレ | 9.31% |
PG | P&G | 8.69% |
KO | コカ・コーラ | 5.04% |
COST | コストコ | 4.89% |
PEP | ペプシコ | 4.70% |
WMT | ウォルマート | 4.52% |
PM | フィリップモリス | 3.76% |
ULVR | ユニリーバ | 3.52% |
DGE | ディアジオ | 3.04% |
OR | ロレアル | 2.99% |
【XLP】生活必需品セレクト・セクター SPDR ファンド
【XLP】生活必需品セレクト・セクター SPDR ファンドETFは32社で構成されています。過去5年間で株価は+22.46ドル(44.44%)となっています。
組入上位10銘柄は以下の通りです。
ティッカーシンボル | 銘柄名 | 組入比率 |
PG | P&G | 15.81% |
PEP | ペプシコ | 10.23% |
KO | コカ・コーラ | 9.85% |
WMT | ウォルマート | 9.58% |
COST | コストコ | 4.87% |
MDLZ | モンデリーズ | 4.73% |
EL | エスティローダー | 4.41% |
PM | フィリップモリス | 4.02% |
MO | アルトリアグループ | 3.94% |
CL | コルゲート | 3.57% |
S&P500セクター別パフォーマンス
S&P500セクター別パフォーマンスは以下の通りです。

11種類のセクターとS&P500の過去10年間トータルリターンは以下の通りです。
NO. | セクター | 過去10年間リターン |
1 | 情報技術 | +25.03% |
2 | 一般消費財 | +20.22% |
3 | ヘルスケア | +18.78% |
4 | 金融 | +17.55% |
5 | S&P500 | +17.15% |
6 | 資本財 | +15.16% |
7 | 不動産 | +14.13% |
8 | 素材 | +13.75% |
9 | 生活必需品 | +12.70% |
10 | 通信サービス | +12.38% |
11 | 公益事業 | +11.56% |
12 | エネルギー | +4.18% |
生活必需品セクターの過去10年リターンは+12.70%でS&P500の+17.15%を下回っています。景気に左右されにくいディフェンシブな銘柄で構成されているので、リターンは安定しています。
P&Gやコカ・コーラなど成熟された企業が多く、爆発的な成長は期待できません。好調な相場では他のセクター劣ってしまいますが、暴落局面では強さを発揮します。
また優れた配当能力をもっている企業が多く、長期的な保有に適した企業が多いです。とくに投資初心者にはコカ・コーラがおすすめです。
コカ・コーラとペプシコの最新決算に関する記事はこちらです。
まとめ
生活必需品セクターの特徴は以下の通りです。
- 不況時に強いディフェンシブなセクター
- 連続増配、高配当銘柄が多い
- 商品、サービス理解がしやすい
生活必需品セクターの過去10年リターンは+12.41%でS&P500の+14.55%を下回っています。景気に左右されにくいディフェンシブな銘柄で構成されているので、リターンは安定しています。
P&Gやコカ・コーラなど成熟された企業が多く、爆発的な成長は期待できません。好調な相場では他のセクター劣ってしまいますが、不況に強いディフェンシブなセクターなので株価の暴落率が低いのも特徴です。
どんな時代にも必要不可欠なので、生活必需品セクターへの投資は理にかなっているといえます。
ヘルスケアセクターと組み合わせてポートフォリオを作成するとよりディフェンシブな構成になるので参考にしてみてください。
ヘルスケアセクターに関する記事はこちらです。