現地時間12月14日に【XOM】エクソンモービルから、33.44ドル(税引き後24.00ドル)の配当金を受け取りました。

エクソンモービルは38年連続で増配しています。エネルギー銘柄は景気に左右されやすいシクリカルセクターなので配当が安定していない傾向があります。特に2020年はコロナウイルスの影響により同社の純利益は220億ドルを超える損失を計上しています。
会社の状況を考えれば、減配や無配の可能性も考えられる中で増配を行ったことはホルダーとしてとても驚きました。エクソンモービルの配当に対する執念を感じます。
今回はエクソンモービルの配当について解説します。
エネルギーセクターに関する記事はこちらです。
エクソンモービルについて
【XOM】エクソンモービルは米国の総合エネルギー企業です。
同社のセグメントは上流と下流に分かれています。上流セグメントは原油・天然ガスの採掘や生産を行っており、下流セグメントは石油製品の製造・取引・販売を行っております。
ロイヤル・ダッチ・シェル、BP、シェブロン、トタル、コノコフィリップスと並んで「スーパーメジャー」と呼ばれる6社のうちの1社でもあります。
民間石油会社としては世界最大の規模を誇り、世界200ヵ国以上で事業展開を行なっています。
会社概要
エクソンモービルの概要は以下の通りです。
ティッカーシンボル | XOM |
社名 | エクソンモービル |
設立 | 1999/11/30 |
時価総額 | 2,609.15億ドル |
セクター | エネルギーセクター |
売上高 | 1,797.84億ドル |
配当利回り | 5.71% |
連続増配期間 | 38年 |
配当月 | 3,6,9,12 |
エクソンモービルは米国の総合エネルギー企業です。主力事業は「上流事業」「下流事業」「化学事業」の3部門を展開しています。
事業の詳細は以下の通りです。
上流事業 | Upstream | 原油・天然ガスの採掘や生産 |
下流事業 | Downstream | 石油製品の製造や販売 |
化学事業 | Chemical | 石油化学製品の製造や販売 |
エクソンモービルの収益は上流事業が大きなウェイトを占めているので、原油やガス価格に依存しています。2020年には「WTI原油」の先物価格が20ドルを切るなど同社にとって危機的な状況が続いていました。
世界的に再生可能エネルギーへの転換が進んでおりましたが、米エネルギー情報局は、2050年の石油需要が20年比で4割増加するとの長期見通しを公表しています。
エクソンモービルはまだまだ成長の余地があると思います。
最新決算
エクソンモービルの2021年7-9月期決算は以下の通りです。
- 売上:721.16億ドル(前年比57.82%増)
- 純利益:67.50億ドル(前年比1,092%増)
- 1株利益:1.57ドル
エクソンモービルの3Q決算によると、純利益は2014年以来の最高を記録しています。WTI原油先価格が7年ぶりに80ドルを記録するなど、原油・天然ガスの価格上昇が要因にあげられます。
部門別の純利益構成は以下の通りです。
単位B:10億 | 純利益 | 構成比率 |
上流事業 | 3.95B | 53% |
下流事業 | 1.25B | 17% |
化学事業 | 2.14B | 29% |
計 | 7.34B | 100% |
エクソンモービルは上流事業が全体純利益の50%以上を占めています。上流事業の構成率が大きいので原油・天然ガスの価格に依存しています。
株価推移
エクソンモービルの株価推移は以下の通りです。

エクソンモービルの株価は-29.55ドル(-32.41%)となっています。S&P500指数に連動したVOOの株価が+221.14ドル(106.38%)なので、比較すると大きな差を広げられています。
それでも2021年に絞ると株価は+48.51%でVOOをアウトパフォームしています。
世界的に脱炭素の動きが加速していますが、米エネルギー情報局によると、2050年の石油需要が20年比で4割増加するとの長期見通しを発表しています。 石油化学セクターの原油需要は世界の人口増加と経済成長に伴い、特に新興国で拡大する見込みです。
エクソンモービルは長期的に利益を生み出し続けることができます。
配当能力について
エクソンモービルは38年連続で増配しています。2020年はコロナウイルスの影響により減配や無配の可能性もありましたが、記録が途切れることはありませんでした。2021年に0.01ドルではありましたが、増配を行ったのは同社の執念だと言えるでしょう。
配当情報は以下の通りです。
配当利回り | 5.71% |
過去12か月の配当利回り | 5.54% |
配当利回り5年平均 | 5.27% |
配当性向 | 446.00% |
増配率3年平均 | 2.65% |
増配率5年平均 | 3.24% |
連続増配期間 | 38年 |
配当月 | 3,6,9,12 |
エクソンモービルの配当利回りは5%をこえる高配当銘柄です。景気に左右されやすいシクリカルセクターで長期的な増配を行っている稀有な企業です。
最新の決算では2022年以降、12〜24か月で最大100億ドルの自社株買いの実施を発表しています。来年以降は大きな増配が期待できるでしょう。
1株あたりの配当と増配率
エクソンモービルの1株あたりの配当と増配率は以下の通りです。

配当金は右肩上がりに成長していますが、増配率はゆるやかに減少しています。2014年以降は5%前後で推移しています。2020年は無配や減配の可能性もありましたが、微増で終わっています。
2022年以降に最大100億ドルの自社株買いを実施するので、増配も期待できます。
配当利回り
エクソンモービルの配当利回り推移は以下の通りです。

配当金が高い企業は魅力的に映りますが、減配や無配の可能性が十分あることを理解しておきましょう。
エネルギーセクターの【RDSA】ロイヤル・ダッチ・シェルは2020年に66%の減配を実施しています。同社が減配を行うのは第二次世界大戦以降初となっています。個別株は必ずリスクがあることがよくわかります。
そこでおすすめなのがETFです。
米国株配当ETF13銘柄に関する記事はこちらです。
まとめ
この記事ではエクソンモービルから受け取った配当金について解説しています。
エクソンモービルは38年連続で増配しています。2020年には赤字に転落するなど減配や無配の可能性がありましたが、同社は据え置き、2021年には増配を実施しました。記録を継続したのは同社の執念だと言えるでしょう。
エネルギーセクターは景気に左右されやすいシクリカルなセクターなので、個別株は減配の可能性を常に考えておきましょう。それでも同社は2022年以降に100億ドル規模の自社株買いを実施します。
エクソンモービルはこれからも長期的に保有したい銘柄だと言えます。
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