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米石油大手エクソン・モービルの第4四半期と2021年通期決算について解説

現地時間1日に米石油大手のエクソン・モービル(XOM)が第4四半期決算を発表いたしました。売上高は市場予想を下回りましたが、1株あたり利益は市場予想を上回りました。

4Q純利益は88億7000万ドルの黒字となり、前年同期は200億7000万ドルの赤字から劇的な業績回復しています。1株利益は2.08ドルでこちらも前年同期(4.70ドルの赤字)を上回っています。

好決算を受けて、株価は6.41%上昇しています。これで同社の年初来リターンは27.2%増となり、S&P500(5.21%減)を大きくアウトパフォームしています。

今回はエクソン・モービルの最新決算について解説していきます。

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【XOM】エクソン・モービルの最新決算について

4Q決算概要

エクソン・モービル(XOM)の4Q決算の概要は以下の通りです。

2021 4Q2020 4Q前年比
売上高84,97045,73885.8%
純利益8,870-20,070144.2%
EPS2.08ドル-4.70ドル
(単位:百万USドル)

エクソン・モービルの4Q売上高は前年比で84%の増収となりました。世界的な景気改善に伴う需要の回復を背景に、石油価格が高騰したことが要因となっています。

1月18日には「米国産WTI原油」の先物価格は一時、1バレル86.63ドルと約7年3か月ぶりの水準まで上昇しています。エクソン・モービルは世界的な原油高の恩恵を受けて業績が急回復しています。

エクソン・モービルの主要事業は「上流事業(Upstream)」「下流事業(Downstream)」「化学事業(Chemical)」にわかれています。事業詳細は以下の通りです。

  • 上流事業→原油・天然ガスの採掘や生産
  • 下流事業→石油製品の製造や販売
  • 化学事業→石油化学製品の製造や販売

4Q部門別の純利益構成は以下の通りです。

2021 4Q2020 4Q前年比
上流事業(Upstream)6,085-18,532
下流事業(Downstream)1,467-1,211
化学事業(Chemical)1,921691278%
(単位:百万USドル)

前年同期に巨額の減損損失計上という特殊要因がありましたが、原油・ガス価格の高騰により、主力事業の上流事業が大きく伸びています。エクソンモービルは上流事業が全体の50%以上を占めているので、原油価格に影響を受けやすいです。

4Qの純利益は約8年ぶりの高水準となっており、キャッシュフローは180億ドル近くと、前年同期の3倍あまりに拡大しています。

通期決算概要

エクソン・モービル(XOM)の2021年通期決算の概要は以下の通りです。

2021 通期2020 通期前年比
売上高285,640178,57460.0%
純利益23,040-22,440202.7%
EPS5.39ドル-5.25ドル
(百万USドル)

エクソン・モービルの通期売上は前年比60%増の285億ドル、純利益は前年比202%増となっており、純利益はおよそ8年ぶりの高水準を記録しています。

また同社はコスト削減に向けた取り組として、主要事業の改編を発表しています。新しく改編される3事業は以下の通りです。

  • 上流事業
  • 製品ソリューションズ
  • 低炭素ビジネス

事業再編の理由には昨年春に新たな取締約が3人選出されており、株主還元の拡大や低炭素エネルギーへのシフト圧力があったようです。3Q決算で発表された100億ドル規模の自社株買いを開始したことも明らかにしています。

過去5年間の収益推移グラフは以下の通りです。

エクソン・モービルの主力事業は上流事業なので、原油・ガス価格に大きく左右されます。2020年には 「米国産WTI原油」の先物価格が一時、20ドルを下回るなど世界的な原油安となりました。

世界的に脱炭素の流れになっていますが、米エネルギー情報局は2050年の石油需要は20年比で4割増加するとの長期見通しを公表しています。原油需要は世界の人口増加と経済成長に伴い、特に新興国で拡大する見込みです。

株価推移

過去5年間の株価推移は以下の通りです。

エクソン・モービルの株価は過去5年間で-2.92ドル(▲3.50%)となっています。シェブロンが同期間で+21.84ドル(19.23%)なので、大きくアンダーパフォームしています。

それでもエクソン・モービルの年初来リターンは+17.08ドル(26.88%)でS&P500を(▲4.32%)を大きくアウトパフォームしています。

世界的な原油高によて、しばらく低迷していた同社の株価は急回復しています。

▼米石油大手シェブロンの第4四半期と2021年通期決算に関する記事はこちらです。

配当概要

エクソン・モービルは39年連続増配するなど、配当に対して積極的な姿勢を貫いています。2020年の業績を考えれば、減配や無配の可能性もありましたが、同社は一貫して配当金を支払っています。

配当情報は以下の通りです。

配当利回り4.37%
過去12か月の配当利回り4.35
配当利回り5年平均5.06
配当性向446
増配率3年平均2.65
増配率5年平均3.24
連続増配期間39年
配当月3,6,9,12
出所:DividendInvestor.com

エクソン・モービルは39年連続で増配しており、配当利回りは4%を超えています。2020年は株価が低迷していたこともあり、利回りは10%をこえる時期もありました。

12〜24か月間で最大100億ドルの自社株買いプログラムも始まっているので、大きな増配が期待できます。

1株あたりの配当と増配率は以下の通りです。

エクソン・モービルは39年連続で増配しているので、配当金は右肩上がりに成長しています。増配率は2013年をピークに減少しています。

同社は39年連続で増配していますが、長期的に配当金を受け取る保証はありません。同じエネルギーセクターのロイヤル・ダッチ・シェル(RDSA)は2020年に66%の減配を実施しています。

個別株投資はリスクが大きくなるので、エネルギーセクターに投資をする場合は分散能力が優れたETFを選ぶことをおすすめします。

まとめ

現地時間1日に米石油大手のエクソン・モービル(XOM)が第4四半期決算と2021年通期決算を発表いたしました。

4Q純利益は88億7000万ドルの黒字で、前年同期の-200億7000万ドルから劇的な業績回復となっています。 通期売上は前年比60%増の285億ドル、純利益は前年比202%増となっており、純利益はおよそ8年ぶりの高水準を記録しています。

好決算を受けて、株価は6.41%上昇しています。これで同社の年初来リターンは27.2%増となり、S&P500(5.21%減)を大きくアウトパフォームしています。

エクソン・モービルはこれからも長期的に保有したい銘柄だと言えます。

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