IBMは現地時間10月12日にキンドリル(Kyndryl)の分社化を取締役会で承認したことを発表しました。IBM株の保有数に応じて、Kyndryl株が割り当てられます。
今回はIBMのスピンオフによる影響について解説します。
IBMの分社化について
割り当ての詳細は以下の通りです。
- Kyndryl株式の割当基準日は2021年10月25日
- Kyndryl株式の割当日は2021年11月3日
- IBMの株式5株あたり、Kyndrylの株式1株を受け取る
- 2021年11月3日の市場取引の終了後に行われる
10月25日時点でIBMの株式を保有している人は11月3日にKyndrylの株式を受け取ることができます。IBM株式5株あたり、Kyndryl株式1株が割り当てられます。IBMの分社化によりホルダーは特に作業が発生することはありません。
割り当てられたKyndryl株をすぐに売却することも選択肢の一つになります。
IBMは高配当銘柄でもありますが、Kyndrylの配当に関しては未定となっています。IBMの配当を目当てにしているホルダーにとっては大きな影響と与えることになります。
私は割り当てられるKyndryl株を売却して、IBM株か別の高配当銘柄を買います予定です。IBMは100年以上配当を続けています。それでも近年の増配率は低下傾向となっています。
1株あたりの配当と増配率
過去10年の1株あたり配当と増配率は以下の通りです。

1株あたりの配当は右肩上がりで成長していますが、増配率は2015年をピークに減少しています。
2016年の10%から急激に下がっています。2021年5月の配当で0.01ドル増配していますが、増配率は0.6%です。
1%をきることは将来の減配や無配も十分に考えられます。
今回の分社化でホルダーはIBMを買いますか、別の投資先にするか改めて検討するいい機会になるかもしれません。
株式推移
IBMは2020年10月にITインフラの構築・運用を担う「グローバル・テクノロジー・サービス事業」の一部を分社化し、2021年末までに新会社を設立すると発表しました。
過去1年間の株式推移は以下の通りです。

IBMの株価は過去5年間で-7.31ドル(-4.89%)となっています。株価が低迷した理由はクラウドインフラのシェア低下があげられます。
クラウドインフラの市場規模は370億ドルに拡大しています。
各社のサービス名とシェアは以下の通りです。
- Amazon(AWS)-約32%
- Microsoft(Micrsoft Azure)-約20%
- Google(Google Cloud)-約9%
- Alibaba(Alibaba Cloud)-約6%
クラウドインフラは米国企業が大半を占めています。情報技術セクターに関する記事はこちらです。
シェアNO1はアマゾンのAmazon Web Services(AWS)が全体の30%を占めています。Microsoftが20%、Googleが9%なので上位3社で6割を占める計算となります。
IBMは4位に位置していましたが、中国のアリババに抜かれ5位に転落しています。
クラウドインフラは上位4社の寡占市場となっています。
IBMの株価低迷はクラウドインフラのシェアを拡大できなかったことが要因の一つと考えられます。
分社化することでIBMの経営状況がどのように変わっていくのか注視していく必要があります。
既に私はIBMは全て売却しております。売却に関する記事はこちらです。
まとめ
IBMが12日にKyndrylの分社化を正式に決定しました。IBM5株あたり、Kyndryl1株割り当てられます。
株式の割り当てに対して、ホルダーは特にやることはありません。しかしKyndrylの配当に関してはまだ情報がありません。
配当金を目的としてIBMを保有している場合は、受け取る配当金が少なくなる可能性があります。
IBMとKyndrylの業績については今後も注視していく必要があります。
▼【初心者向け】米国株配当ETF13銘柄に関する記事はこちらです。

▼【ETF】高配当ETFのVIGとVYMに関する記事はこちらです。
