GAFAMは米国のIT企業(Google、apple、Facebook、Amazon、Microsoft)の頭文字をとった呼び名のことです。
5社の時価総額を合わせると東証1部上場している約2,100社を上回ります。米国企業全体でも8分の1を占めるなどGAFAMが米国経済をけん引していることがわかります。最近ではテスラの時価総額がFacebookを抜いて話題になりました。
ナスダック総合指数は5年間で182.97%増加しています。さらにナスダック総合指数から金融銘柄を除く時価総額上位100社で構成されるナスダック100指数は225.13%増加しています。
S&P500指数が110.52%増加しているので、ナスダックに含まれる企業は倍以上の成長率となっています。
そこで今回はナスダック100指数に連動したETFである【QQQ】インベスコQQQトラスト・シリーズ1について解説しています。
【QQQ】インベスコQQQトラスト・シリーズ1
【QQQ】インベスコQQQトラスト・シリーズ1はナスダック100指数に連動したETFです。GAFAMに限らず、テスラやネットフリックなども含まれています。S&P500指数に連動したVOOや米国企業全体を含むVTIにもGAFAMは含まれていますが、構成比率は低くなっています。
ETF概要
名称 | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 |
ティッカーシンボル | QQQ |
運用会社 | インベスコ・パワーシェアーズ |
構成銘柄数 | 101社 |
設定日 | 03/10/1999 |
純資産 | 214.128億ドル |
直近配当利回り | 0.50% |
経理率 | 0.20% |
1年トータルリターン | 28.65% |
3年トータルリターン | 39.81% |
5年トータルリターン | 28.38% |
QQQは前述したようにナスダック100指数に連動したETFとなっています。ナスダック総合指数から金融銘柄を除く時価総額上位100社で構成されています。
設定日は1999年なのでVOO(2010年)やVTI(2001年)より歴史は古いです。20年以上運用されているので、リーマンショックなどの金融危機も経験しています。
経費率0.20%は他のETFと比べると少し高めです。それでもポートフォリオの組み換えを自動で行われることや100社に分散されることを考えれば気にならない水準です。
【QQQ】構成銘柄
QQQはナスダック100指数に含まれる100社で構成されています。構成銘柄と組み入れ比率は以下の通りです。
ティッカーシンボル | セクター | 構成比率 |
【MSFT】Microsoft | 情報技術セクター | 10.75% |
【AAPL】アップル | 情報技術セクター | 10.57% |
【AMZN】Amazon | 一般消費財セクター | 7.63% |
【TSLA】テスラ | 一般消費財セクター | 5.73% |
【NVDA】エヌビディア | 情報技術セクター | 4.85% |
【GOOG】alphabet | 通信サービスセクター | 4.06% |
【GOOGL】alphabet | 通信サービスセクター | 3.80% |
【FB】メタ・プラットフォームズ | 通信サービスセクター | 3.38% |
【ADBE】アドビ | 情報技術セクター | 2.93% |
【NFLX】NETFLIX | 通信サービスセクター | 1.88% |
QQQは100社で構成されているため、1社あたりの組み入れ比率が高くなります。全体の40%をGAFAMが占めています。GAFAMの構成比率はS&P500指数に連動したVOOが22%なので、QQQの方が集中的に投資することができます。
GAFAMの他にもメタ(旧Facebook)を時価総額で抜いたテスラやNETFLIX、エヌビディアなども構成比率が高くなっています。
ナスダック100から金融セクターを除いているので、構成されているのは情報技術セクター、通信サービスセクター、一般消費財セクターとなっています。
セクターに関する記事はこちらです。
株価推移
QQQの過去5年間株価推移です。

QQQは5年間で+274.54ドル(225.16%)となっています。VOOは5年間で110.47%増加しているので、QQQの株価は2倍以上成長しています。これは前述したように成長銘柄の組み換え比率が大きいので、リターンも大きくなっています。
GoogleやMicrosoftの決算が好調で株価は上昇していますが、メタやAmazonは決算が不調で下落しています。ETFのように分散されていれば、リスクを分散することができます。
一方でアップルやAmazonの株価成長率はQQQを上回っているので、QQQに投資することでGAFAMのリターンを超える訳ではありません。
それでもメタやAmazonは最新決算の内容をうけて株価が下落しています。個別株投資にはリスクがあるので注意が必要です。
Googleの最新決算はこちらです。
【VOO】と【VTI】比較
QQQの他にもS&P500指数に連動したVOOや米国企業4,000社で構成されているVTIなど人気のETFは数多くあります。
ETF概要
米国を代表するETFは以下の通りです。
- 【QQQ】インベスコQQQトラスト・シリーズ1
- 【VOO】バンガードS&P500ETF
- 【VTI】バンガード・トータル・ストック・マーケットETF
ティッカーシンボル | QQQ | VOO | VTI |
純資産[十億ドル] | 214.128 | 280.516 | 300.557 |
設定日 | 03/10/1999 | 09/09/2010 | 05/31/2001 |
経費率 | 0.20% | 0.03% | 0.03% |
保有銘柄数 | 101 | 512 | 3997 |
直近配当利回り | 0.50% | 1.40% | 1.42% |
過去1年リターン | 28.65% | 29.57% | 26.47% |
過去3年リターン | 39.81% | 27.23% | 26.92% |
過去5年リターン | 28.38% | 18.37% | 17.91% |
GAFAM比率 | 40.38% | 22.45% | 18.29% |
【VOO】と【VTI】はバンガード社が運用していて、低い経費率が魅力です。過去5年間リターンはQQQがVOOとVTIを20%近くアウトパフォームしています。
情報技術セクターや一般消費財セクターなどの成長セクターの構成比率が高いので恩恵を受けた形になっています。それでもVOOやVTIは分散能力がとても高いので長期的なリターンは安定しています。
それぞれのGAFAM比率はQQQが全体の4割を占めています。VOOとVTIは2割前後の構成比率となっているので、QQQはGAFAMへの比重が大きくなっています。
【VOO】構成銘柄
【VOO】バンガードS&P500ETFの構成銘柄は以下の通りです。
ティッカーシンボル | セクター | 構成比率 |
【AAPL】アップル | 情報技術セクター | 6.08% |
【MSFT】Microsoft | 情報技術セクター | 5.80% |
【AMZN】Amazon | 一般消費財セクター | 3.92% |
【FB】メタ・プラットフォームズ | 通信サービスセクター | 2.21% |
【GOOG】alphabet | 通信サービスセクター | 2.20% |
【GOOGL】alphabet | 通信サービスセクター | 2.06% |
【TSLA】テスラ | 一般消費財セクター | 1.72% |
【NVDA】エヌビディア | 情報技術セクター | 1.41% |
【BRK】バークシャー・ハサウェイ | 金融セクター | 1.38% |
【JPM】JPモルガン | 金融セクター | 1.34% |
VOOはS&P500指数に連動したETFとなっています。GAFAM構成比率は2割前後になっているので分散能力がとても優れたETFです。
QQQは金融セクターを含まいので、バークシャー・ハサウェイやJPモルガンなどの銘柄も組み込まれています。
【VTI】構成銘柄
【VTI】バンガード・トータル・ストック・マーケットETFの構成銘柄は以下の通りです。
ティッカーシンボル | セクター | 構成比率 |
【AAPL】アップル | 情報技術セクター | 5.02% |
【MSFT】Microsoft | 情報技術セクター | 4.79% |
【AMZN】Amazon | 一般消費財セクター | 3.19% |
【FB】メタ・プラットフォームズ | 通信サービスセクター | 1.83% |
【GOOG】alphabet | 通信サービスセクター | 1.82% |
【GOOGL】alphabet | 通信サービスセクター | 1.64% |
【TSLA】テスラ | 一般消費財セクター | 1.40% |
【NVDA】エヌビディア | 情報技術セクター | 1.11% |
【JPM】JPモルガン | 金融セクター | 1.10% |
【BRK】バークシャー・ハサウェイ | 金融セクター | 1.06% |
VTIは米国市場に上場している4,000社で構成されているので、1社あたりの構成比率は他の2本より少なくなっています。GAFAMの構成比率も2割をきっています。
株価比較
過去5年間の株価推移は以下の通りです。

VOOとVTIは近い値動きになっていますが、QQQは2018年頃から大きく成長しています。GAFAMやテスラ、 NETFLIX、エヌビディアなど世界を代表する企業への集中投資による恩恵となっています。
過去5年間は米国経済が大きく成長している期間なので、2008年のような金融危機が起こった場合の値動きにも注意が必要になります。
まとめ
今回はGAFAMにまとめて投資ができるQQQについて解説しています。
QQQの特徴は以下の通りです。
- ナスダック100指数から金融を除いた銘柄で構成
- GAFAMの構成比率は40%
- 情報技術、通信サービス、一般消費財セクターで構成
- 過去5年間の株価推移はVOOやVTIを上回る
GAFAMの他にもテスラやNETFLIXにも投資ができるQQQは優れたETFです。テスラは最新決算の内容を受けて時価総額はメタを抜きました。テスラの最新決算はこちらです。
個別株投資ではポートフォリオの組み入れを自分で行う必要がありますが、ETFであれば自動で行ってくれます。QQQに投資することで成長産業にまるごと投資ができるので、GAFAM投資の最適性です。
GAFAM投資のデビューでQQQを検討してみてはいかがでしょうか。
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