米清涼飲料水メーカーのコカ・コーラ【KO】が、2022年2月18日に増配を発表しました。
四半期配当が0.42ドルから0.44ドルに上がります。年間配当は1.68ドルから1.76ドルになる予定で、増配率は4.76%です。執筆時の配当利回りは2.70%です。
これでコカ・コーラの連続増配は60年になりました。

コカ・コーラの配当情報について
コカ・コーラ【KO】は米国に本社を置く、世界最大の清涼飲料水メーカーです。
同社は世界中にサービスを展開しており、世界トップ5のノンアルコール飲料ブランドのうち「コカコーラ」、「ダイエットコーク」、「ファンタ」、「スプライト」という4つのブランドを所有しています。
日本でも馴染みがある、「ジョージア」、「爽健美茶」、「綾鷹」、「いろはす」、「アクエリアス」なども同社のブランド商品となっています。
コカ・コーラは伝説の投資家ウォーレンバフェットも保有していることで有名です。バフェットが投資する条件は「自分が理解できるサービス」に限られます。
コカ・コーラと聞いて何の会社かわからない人はほぼいないでしょう。それぐらいコカ・コーラは高い知名度を誇っています。
配当概要
コカ・コーラの配当に関する概要は以下の通りです。
ティッカーシンボル | KO |
社名 | コカ・コーラ |
設立 | 1892/01/29 |
セクター | 生活必需品セクター |
時価総額 | 2,683億ドル |
売上高 | 386.55億ドル |
配当利回り | 2.70% |
配当利回り5年平均 | 3.09% |
連続増配期間 | 60年 |
配当成長率3年平均 | 2.50% |
配当性向 | 83% |
配当月 | 4,7,10,12 |
コカ・コーラは今回の発表で連続増配期間は60年となりました。増配率は4.76%なので、過去3年間の増配率(2.50%)を上回っています。
コカ・コーラの1株あたり配当と増配率
コカ・コーラ【KO】の1株あたりの配当と増配率は以下の通りです。

コカ・コーラは60年連続で増配しているので、1株あたりの配当金は右肩上がりに成長しています。一方で過去10年間の増配率は年々下がっています。
2022年の増配率は4.76%となる予定なので、前年の2.44%を大きく上回りました。前年を上回るのは2012年以来、11年ぶりとなっています。
コカ・コーラのような成熟企業は増配率が低下していく傾向がありますが、安定したビジネスモデルによって積極的に増配を行っています。
コカ・コーラの配当利回りと株価推移
配当利回り推移
コカ・コーラの配当利回り推移は以下の通りです。

コカ・コーラの配当利回りは3%前後で推移しています。執筆時の配当利回りは2.70%まで下がっており、過去20年間で最も利回りが低くなっています。
利回りが低下している要因は株価が上昇しているためです。コカ・コーラの株価は過去5年間で+20.34ドル(48.68%増)となっており、2月8日には上場来最高値の62ドルを記録しています。
株価推移
コカ・コーラの株価推移は以下の通りです。

コカ・コーラの株価は17日に上場来最高値の62.12ドルを記録しています。年初来リターンは4.76%増で、S&P500(-8.68%減)を大きくアウトパフォームしています。
コカ・コーラはインカムゲインとキャピタルゲインの両方を期待することができます。
最新決算について
4Q決算概要
コカ・コーラ(KO)の4Q決算概要は以下の通りです。
2021 4Q | 2020 4Q | 前年比 | |
売上高 | 9,464 | 8,611 | 9.9% |
純利益 | 2,414 | 1,456 | 65.8% |
EPS | 0.56ドル | 0.34ドル | – |
コカ・コーラが10日に発表した2021年10~12月期決算は、純利益が前年同期比66%増の24億1400万ドル、売上高は10%増の94億6400万ドルと市場予測を上回りました。
売上高、純利益ともに新型コロナウイルス前の19年を上回りましたが、CEOのジェームズ・クインシーは「22年は完全に19年の水準に戻れるわけではない」と述べており、先行き不透明は依然としての残っています。
米国ではインフレやサプライチェーン問題が深刻化しており、素材、輸送、人件費のコスト増が続いています。コスト増加にともない、値上げを進めていますが、今後も追加で実施する可能性を示唆しています。
通期決算概要
コカ・コーラ(KO)の通期決算概要は以下の通りです。
2021 通期 | 2020 通期 | 前年比 | |
売上高 | 38,655 | 33,014 | 17.1% |
純利益 | 9,771 | 7,747 | 26.1% |
EPS | 2.25ドル | 1.79ドル | – |
コカ・コーラの通期売上高は386.55億ドルで前年比17.1%増、純利益は97.71億ドルで前年比26.1%増となっています。
コカ・コーラの収益推移グラフは以下の通りです。

コカ・コーラの収益は2012年頃をピークに減少しています。2020年は世界的なパンデミックの影響で、スタジアムや映画館などの娯楽施設での販売が無くなり、売上は減少しています。
2021年は経済活動の再開にともない、売上はコロナウイルス前の水準まで回復しています。コカ・コーラは世界中にサービスを展開しており、完成品の販売だけでなく、ボトラー各社に原液も提供しています。
コカ・コーラ制の飲料製品は200か国以上の国と地域で販売されていて、市場シェアは先進国で13%、発展途上国で5%程度にとどまっています。全人口の80%が発展途上国に集中しているので、成長の余地は十分にあると思います。
▼コカ・コーラの最新決算に関する記事はこちらです。

まとめ
コカ・コーラの増配情報について解説してきました。
今回の増配で連続増配期間は遂に60年となりました。60年以上連続で増配している企業は執筆時で9社しかありません。
振り返ると、1987年ブラックマンデー、2008年リーマンショック、2020年コロナショックなど、世界経済は60年の間に様々な金融危機が訪れています。
また60年も経てば、人の趣味嗜好は変わります。世界的に健康志向が高まっていることから、生活必需品と言われた紙たばこ、甘い飲み物や炭酸飲料なども敬遠されてきています。
それでもコカ・コーラは増配を続けているので、増配期間が長いことは社会の変化に適用できている証にもなります。
コカ・コーラは今後も長期的に配当を受け取ることができるでしょう。
▼【ETF】高配当ETFのVIGとVYMに関する記事はこちらです。

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