現地時間10月20日にフィリップスモリス(PM)から配当金12.51ドル(税引後9.96ドル)を受け取りました。

前回から0.05ドル増えて、1株あたり1.25ドルとなっています。同社は54年連続増配の実績を誇る、高配当銘柄です。
今回は世界のタバコメーカーフィリップモリスに関して解説していきます。
1株あたりの配当と増配率
フィリップモリスの1株あたりの配当と増配率は以下の通りです。

増配率は2014年以降は8%を下回っています。
同社はアルトリアグループの国際部門でしたが、2008年に分社化されています。
直近10年の増配率はフィリップスモリスが6.98%、アルトリアグループが8.87%となっています。
しかしアルトリアグループは国内での加熱式タバコの販売が禁止になるなど今後も同じように増配できるか不透明です。
アルトリアグループの加熱式タバコの販売禁止に関する記事はこちらです。
フィリップスモリスが製造している加熱式タバコは米国市場で唯一、食品医薬品局によって認可された吸入可能なたばこ製品です。
特許侵害については今後も注視していく必要があります。
株価推移
フィリップスモリスの過去5年間株価推移は以下の通りです。

フィリップモリスの株価は5年間で+0.71ドル(0.74%)とほとんど変わりありません。
S&P500指数に連動したVOOのリターンが+219.52ドル(111.73%)なので比べると大きく劣っています。
世界的に健康志向が高まっているので、たばこ産業は今後も縮小していきます。
単価を上げることで売上を保っていますが、大きく成長する見込みは小さいです。
加熱式タバコの市場シェアをどれだけ確保できるかがポイントになっていきそうです。
2021年第3四半期決算
フィリップモリスの最新決算は以下の通りです。
- 売上高…81.2億ドル(前年同期比+9.1%)
- EPS…1.58ドル(前年同期比+7.04%)
- たばこ出荷量…-0.4%(前年同期比-9.80%)
フィリップモリスの第3四半期決算は市場予測を上回る結果となりました。
売上高は市場予測79.9億ドルに対して、81.2億ドル(前年同月比+9.1%)となっています。第2四半期決算では+14.18%だったのでやや鈍化しています。
EPSは市場予想1.56ドルに対して、1.58ドルとなっています。こちらも第2四半期決算では+11.20%なのでやや物足りません。
しかし通期での見通しは従来の5.97~6.07ドルから6.01~6.06ドルに上方修正しています。
たばこ出荷量は減っているので、単価を上げることで補填する形となっています。
同社は10年以内に日本国内での紙たばこ事業撤退を表明しています。
また2025年までには紙たばこ喫煙者4000万人を加熱式タバコ製品に切り替え、売上高50%以上を確保できるように取り組んでいます。
前述したように加熱式タバコのシェアをどれだけ確保できるかが同社の今後の業績に大きくかかわっていきます。
業績推移
フィリップモリスの過去5年間の業績推移は以下の通りです。

アルトリアグループと比べると同社の純利益が高いのも特徴です。
フィリップモリスの営業キャッシュフローマージンは過去年間30%を保っています。
本業からキャッシュを生み出しているので、純利益も安定しています。
まとめ
フィリップモリスから配当金を受け取りました。
同社の特徴は以下の通りです。
- 59年連続増配の配当王
- 増配率は10年間で7%前後で推移
- 営業CFMは30%を超えている
たばこ産業は今後縮小傾向になっていますが、同社は加熱式タバコへの切り替えをすすめています。
最新決算でも市場予想をこえる結果となっています。
フィリップモリスは高い営業キャッシュフローを保っているので、配当も今後は安定して行われていくと考えられます。
個別株への投資は慎重におこなってください。
それではまたお会いしましょう。
生活必需品セクターに関する記事はこちらです。