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米たばこメーカー大手フィリップモリスとアルトリアグループの決算について解説

米たばこメーカー大手のフィリップモリス(PM)とアルトリアグループ(MO)の最新決算が発表されたので、それぞれの決算内容について解説していきます。

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【PM】フィリップモリスの決算について

フィリップモリスは米国に本社を置く、世界最大のたばこメーカーです。

2008年にアルトリアグループ(MO)からたばこ事業国際部門としてスピンオフされています。同社の主要商品は、「マールボロ」や「ラーク」などがあります。

企業ビジョンは「煙のない社会」で、将来的には全て加熱式たばこに切り替えることを宣言しています。

4Q決算概要

フィリップモリス(PM)の4Q決算概要は以下の通りです。

2021 4Q2020 4Q前年比
売上高8,1047,4448.9%
純利益2,0931,9765.9%
EPS1.34ドル1.27ドル
(単位 百万USドル)

フィリップモリスの2021年10-12月期(4Q)決算は売上高、利益が市場予想を上回りました。売上高は前年比8.9%増となり、4四半期連続で前年を上回る結果となりました。

好決算の要因として、加熱式たばこの出荷数量と販売金額の増加があげられます。紙たばこの出荷数量が2.4%増えた一方で、加熱式たばこは17.0%の大幅増加しています。販売金額も紙たばこが1.9%増えたのに対して、加熱式たばこは23.4%増加しています。

▼紙たばこと加熱式たばこの出荷数量は以下の通りです。

2021 4Q2020 4Q前年同期比
紙たばこ158,382154,6772.4%
加熱式たばこ25,39721,70917.0%
合計183,779176,3864.2%
(単位 百万ユニット)

▼紙たばこと加熱式たばこの販売金額は以下の通りです。

2021 4Q2020 4Q前年同期比
紙たばこ5,6125,5071.9%
加熱式たばこ2,3911,93723.4%
その他101
合計8,1047,4444.2%
(単位 百万ドル)

世界的に健康志向が高まっており、紙たばこから加熱式たばこに切り替える人が増えています。加熱式たばこの出荷数量と販売金額はどちらも二桁を超える大幅な伸びとなっています。

通期決算概要

フィリップモリス(PM)の通期決算概要は以下の通りです。

2021 通期2020 通期 前年比
売上高31,40528,6949.4%
純利益9,1098,05613.1%
EPS5.83ドル5.16ドル
(単位 百万USドル)

フィリップモリスの通期売上高は314.40億ドルで前年比9.4%増、純利益は80.56億ドルで前年比13.1%増となっています。

過去5年間の収益推移グラフは以下の通りです。

フィリップモリスの収益は過去5年間横ばいに推移しています。世界的に健康志向が高まっており、紙たばこの出荷数量は減少傾向になっています。一方で加熱式たばこの出荷量は年々増加しています。

フィリップモリスが販売している、加熱式たばこ「IQOS」は燃やすことはないので、煙を出さずに吸引することが可能になっています。IQOSは米国市場で唯一、食品医薬品局によって認可された吸入可能なたばこ製品になっています。

株価推移

過去5年間の株価推移は以下の通りです。

フィリップモリスの株価は過去5年間で+5.58ドル(5.38%増)となっています。2020年代には株価が60ドル付近まで減少しましたが、現在は100ドルまで上昇しています。

2022年は年初来で14%増加するなど好調な推移となっています。

【MO】アルトリアグループの決算について

アルトリアグループは米国に本社を置く、世界最大のたばこメーカーです。

2008年にフィリップモリス(PM)をたばこ事業国際部門としてスピンオフしているので、同社は米国国内に事業を展開しています。

4Q決算概要

アルトリアグループ(MO)の4Q決算概要は以下の通りです。

2021 4Q2020 4Q前年比
売上高5,0865,0550.6%
純利益1,6241,924▲15.6%
EPS0.88ドル1.03ドル
(単位 百万USドル)

アルトリアの2021年10-12月期(4Q)決算は純利益、EPSともに前年同期を下回っています。

セグメント別に見てみると、紙たばこの出荷数量ベースが前年同期比5.9%減となっています。出荷数量は減少していますが、値上げを行うことで販売金額は前年同期比0.4%増をキープしています。

▼紙たばこと加熱式たばこの出荷数量は以下の通りです。

2021 4Q2020 4Q前年同期比
紙たばこ22,86524,309▲5.9%
加熱式たばこ2062021.8%
(単位 百万スティック・缶・パック)

▼紙たばこと加熱式たばこの販売金額は以下の通りです。

2021 4Q2020 4Q前年同期比
紙たばこ5,5915,5670.4%
加熱式たばこ6636324.9%
合計6,2546,1990.9%
(単位 百万ドル)

主力商品であるマールボロのシェアは42.7%となり、前年同期の43.1%から減少しています。アルトリアは紙たばこの売上が全体の9割を占めているので、シェアが減少することで業績が悪化してしまいます。

通期決算概要

フィリップモリス(PM)の通期決算概要は以下の通りです。

2021 通期2020 通期 前年比
売上高21,11120,8411.3%
純利益2,4754,467▲44.6%
EPS1.34ドル2.40ドル
(単位 百万USドル)

アルトリアの通期売上高は211.11億ドルで前年比1.3%増加していますが、純利益は24.75億ドルで前年比44.6%の減収となっています。

過去5年間の収益推移グラフは以下の通りです。

アルトリアの収益は過去5年間低調に推移しています。世界的に健康志向が高まっており、紙たばこの出荷数量は減少傾向になっています。アルトリアは依然として紙たばこの売上比率が高いので、加熱式たばこへの切り替えが求められます。

株価推移

過去5年間の株価推移は以下の通りです。

アルトリアの株価は過去5年間で-22.88ドル(-31.36%)となっています。前述したように世界的に健康志向が高まっており、紙たばこの出荷数量は年々減少しています。

フィリップモリスは将来的に紙たばこを全て加熱式たばこに切り替えることを宣言しています。アルトリアも加熱式たばこに切り替えが求められています。

それでも同社は2022年12月までに18億ドルの自社株買いを発表しています。配当利回りは執筆時で7%を超えていますが、今後はさらなる増配に期待できます。

2022年の米国市場はインフレや地政学リスクなど、多くの課題をかかえており先行きが不透明になっています。そこでアルトリアやフィリップモリスのような高配当銘柄に人気があつまりそうです。

まとめ

今回は米たばこメーカー大手のフィリップモリスとアルトリアの最新決算について解説してきました。

フィリップモリスは加熱式たばこの売上が好調に推移しており、株価は年初来で14%増加しています。同社の企業ビジョンは「煙のない社会」で、将来的には全て加熱式たばこに切り替えることを宣言しています。

一方でアルトリアは依然として紙たばこの売上比率が高くなっています。世界的に健康志向が高まっているので、同社も加熱式たばこのシェア拡大を進めていく必要があります。

今後もたばこ事業の動向には注意が必要です。

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