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【最新】セクター別ETFの2021年リターンを徹底比較

2021年も残り1か月となりました。2021年の米国市場はコロナショックからの回復局面で主要指数はV字回復しています。S&P500指数やダウ平均は上場来最高値を何度も更新するなど力強さを感じる1年でした。

それでもセクター別のリターンを見てみると大きな差があることがわかります。エネルギー・金融・素材セクターなどの景気に敏感な銘柄は大きなリターンを出している一方で、生活必需品・ヘルスケアセクターなどのディフェンシブな銘柄はリターンが小さくなっています。

そこで今回はセクター別ETFの2021年リターンを徹底比較していきます。

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2021年セクター別ETFのリターン

2021年セクター別ETFとS&P500の年初来リターンは以下の通りです。

名称ティッカーシンボル年初来リターン
バンガード・米国エネルギーセクターETFVDE64.7%
バンガード・米国金融セクターETFVFH56.1%
バンガード・米国素材セクターETFVAW36.0%
バンガード・米国一般消費財セクターETFVCR35.3%
バンガード・米国資本財セクターETFVIS34.5%
バンガード・米国不動産セクターETFVNQ34.0%
バンガード・米国情報技術セクターETFVGT30.9%
バンガードS&P500ETFVOO30.2%
バンガード・米国通信サービスセクターETFVOX22.4%
バンガード・米国ヘルスケアセクターETFVHT21.0%
バンガード・米国公益事業セクターETFVPU17.2%
バンガード・米国生活必需品セクターETFVDC12.8%

2021年は全11セクターで2桁リターンを出しています。

特に大きなリターンを出しているのは、エネルギー・金融・素材セクターなどの景気敏感で構成されたセクターです。2020年のコロナショックで大きく株価が下落していたセクターなので、その分を取り戻した形となっています。

最も大きなリターンを出しているのはエネルギーセクターです。「米国産WTI原油」の先物価格が10月には7年ぶりに80ドルを記録するなど好調だったことが要因となっています。

世界的なトレンドは脱炭素ですが、米エネルギー情報局によると、2050年の石油需要が20年比で4割増加するとの長期見通しを公表しています。

エネルギーセクターは今後も大きく伸びる余地があるセクターだと思います。

一方で生活必需品・公益事業・ヘルスケアなどの景気に左右されにくいディフェンシブなセクターのリターンが悪くなっています。ディフェンシブなセクターはボラティリティが小さいので、2021年のような成長局面でも株価は上がりにくい特徴があります。

生活必需品セクターを多く保有している私もうらやましい1年でした。

セクター別ETF年初来リターントップ3

2021年セクター別年初来リターントップ3は以下の通りです。

  • 1位:【VDE】バンガード・米国エネルギーセクターETF (64.7%)
  • 2位:【VFH】バンガード・米国金融セクターETF (56.1%)
  • 3位【VAW】バンガード・米国素材セクターETF (36.0%)

エネルギー・金融・素材セクターなど景気に左右されやすいシクリカルセクターが大きなリターンを出しています。

1位:【VDE】バンガード・米国エネルギーセクターETF

エネルギーセクターは石油・ガスに関連する企業で構成されています。業績が石油や原油価格に大きく依存しているので景気に左右されやすい特徴があります。生活に必要なサービスを提供していますが、生活必需品セクターやヘルスケアセクターのような安定感はありません。

代表銘柄は【XOM】エクソンモービル、【CVX】シェブロン、【COP】コノコフィリップスなどがあげられます。エクソンモービルは日本でもガソリンスタンド事業を展開しています。

石油事業は「上流部門」と「下流部門」にわかれており、上流部門は原油の探鉱・開発・生産までの原油の開発、下流部門は精製・販売・輸送を行っています。

公益事業セクターに似ていますが、エネルギーセクターは石油がメインだと思ってください。エネルギーセクターに関する記事はこちらです。

【VDE】ETF概要

【VDE】バンガード・米国エネルギーセクターETFの概要は以下の通りです。

名称バンガード・米国エネルギーセクターETF
ティッカーシンボルVDE
運用会社バンガード
構成銘柄数96社
設定日01/30/2004
純資産5.909億ドル
直近配当利回り4.71%
経理率0.10%
1年トータルリターン53.72%
3年トータルリターン-1.83%
5年トータルリターン-2.37%

VDEは米国エネルギー銘柄96社で構成されています。

エネルギー銘柄はエクソンモービルやシェブロンなどの高配当株銘柄が多く組み入れられているので、利回りが高くなる傾向があります。

一方で株価は5年トータルリターンで-2.37%となっています。エネルギー銘柄の業績は石油や原油価格に大きく依存しているので、景気に左右されやすい特徴があります。

【VDE】ETF構成銘柄

組入上位10銘柄は以下の通りです。

ティッカーシンボル銘柄名組入比率
XOMエクソンモービル20.30%
CVXシェブロン16.39%
CPOコノコフィリップス7.02%
EOGEOGソリーシズ4.14%
SLBシュルンベルジェ3.45%
MPCマラソン・ペトロリアム3.32%
PXDパイオニア・ナチュラル・リソーシズ3.24%
KMIキンダー・モルガン2.62%
WMBウィリアムズ・カンパニーズ2.61%
PSXフィリップス662.53%

VDEは米国エネルギー銘柄96社で構成されていますが、エクソンモービルとシェブロンが全体の40%近く占めています。

【VDE】株価リターン

過去5年間の株価リターンは以下の通りです。

VDEの株価は過去5年間で-27.96(-26.30%)ドルとなっています。S&P500指数に連動したVOOの株価が+213.82(102.80%)ドルとなっているので、大きく差を広げられています。

エネルギーセクターのような景気に左右されやすいセクターはボラティリティが大きく、長期投資には向きません。投資タイミングが難しいセクターだと思います。

2位:【VFH】バンガード・米国金融セクターETF

金融セクターは、銀行、保険、証券会社、消費者金融、貸付、保険、資産運用に関するサービスを提供する企業で構成されています。クレジットカードや決済サービスを提供する企業も金融セクターに含まれます。

代表的な銘柄は【JPM】JPモルガン、【BRK】バークシャー・ハサウェイ、【BAC】バンク・オブ・アメリカ、【WFC】ウェルズ・ファーゴ、【V】VISAなどがあげられます。JPモルガンやVISAは日本でも馴染みのある企業です。

金融セクターは景気に左右されやすいシクリカルなセクターです。銀行は企業や個人にお金を貸すことで利息を得ることができます。景気後退や不況時にはお金を借りる機会が減るので、金利は低下する傾向があります。

金融セクターに関する記事はこちらです。

【VFH】ETF概要

【VFH】バンガード・米国金融セクターETFの概要は以下の通りです。

名称バンガード・米国金融セクターETF
ティッカーシンボルVFH
運用会社バンガード
構成銘柄数398社
設定日01/30/2004
純資産11.508億ドル
直近配当利回り2.27%
経理率0.10%
1年トータルリターン36.64%
3年トータルリターン14.35%
5年トータルリターン12.73%

VFHは米国金融銘柄398社で構成されているので、分散能力が優れています。

エネルギーセクターと同じように高配当銘柄が多く組み入れられているので、配当利回りも高くなっています。経費率が0.10%と低コストで運用できるのもポイントです。

【VFH】ETF構成銘柄

組入上位10銘柄は以下の通りです。

ティッカーシンボル銘柄名組入比率
JPMJPモルガン9.37%
BRKバークシャー・ハサウェイ6.94%
BACバンク・オブ・アメリカ6.71%
WFCウェルズ・ファーゴ3.85%
Cシティグループ2.62%
MSモルガン・スタンレー2.61%
GSゴールドマン・サックス2.60%
BLKブラックロック2.56%
AXPアメリカン・エキスプレス2.16%
SCHWチャールズ・シュワブ2.16%

VFHは米国金融銘柄398社で構成されているので1社あたりの保有割合が少なくなっています。前述したように金融銘柄398社で構成されているので、分散能力がとても優れています。

1社あたりの比率が少ないので、リスクが分散することができます。

【VFH】株価リターン

過去5年間の株価リターンは以下の通りです。

VFHの株価は過去5年間で+35.34(58.42%)ドルとなっています。S&P500指数に連動したVOOと比べると半分程度の成長率にはなってしまいますが、それでも2020年3月以降は大きく成長しています。

3位:【VAW】バンガード・米国素材セクターETF

素材セクターは化学材料、金属材料に関連する企業で構成されています。素材セクターは化学品がメインになっておりますが、ゴールドも含まれます。

代表的な銘柄は【LIN】リンデグループ、【SHW】シャーウィン・ウィリアムズ、【ECL】エコラボ、などがあげられます。素材メーカーは一般消費者向けのサービスではないので、聞きなじみのない企業が多いです。

素材セクターは景気に左右されやすいシクリカルなセクターです。素材セクターはものづくりに必要な材料を提供しているので景気が悪いと出荷量も落ち込みます。

素材セクターに関する記事はこちらです。

【VAW】ETF概要

【VAW】バンガード・米国素材セクターETFの概要は以下の通りです。

名称バンガード・米国素材セクターETF
ティッカーシンボルVAW
運用会社バンガード
構成銘柄数119社
設定日01/30/2004
純資産3.962億ドル
直近配当利回り1.69%
経理率0.10%
1年トータルリターン23.29%
3年トータルリターン16.81%
5年トータルリターン12.41%

VAWは米国素材銘柄119社で構成されています。

【VAW】ETF構成銘柄

組入上位10銘柄は以下の通りです。

ティッカーシンボル銘柄名組入比率
LINリンデグループ13.05%
SHWシャーウィン・ウィリアムズ6.33%
APDエアー・プロダクツ・アンド・ケミカルズ5.22%
ECLエコラボ4.49%
FCXフリーポート・マクモラン4.34%
NEMニューモント・マイニング3.40%
DOWダウ3.29%
DDデュポン・ド・ヌムール2.99%
PPGPPGインダストリーズ2.91%
IFFインターナショナル・フレバー・アンド・フレグランス2.88%

VAWは米国金融銘柄119社で構成されているので1社あたりの保有割合が少なくなっています。それでも100社以上に分散されているので、リスクは小さくなっています。

【VAW】株価リターン

過去5年間の株価リターンは以下の通りです。

VAWの株価は過去5年間で+71.16(60.88%)ドルとなっています。過去5年間では金融・エネルギーセクターより大きなリターンを出しています。

エネルギーセクターと同じように原油価格の影響を受けやすいので、動向には注意が必要です。

まとめ

今回は2021年セクター別ETFの年初来リターンについて解説してきました。

ランキングは以下の通りです。

  • 1位:【VDE】バンガード・米国エネルギーセクターETF (64.7%)
  • 2位:【VFH】バンガード・米国金融セクターETF (56.1%)
  • 3位:【VAW】バンガード・米国素材セクターETF (36.0%)
  • 4位:【VCR】バンガード・米国一般消費財セクターETF (35.3%)
  • 5位:【VIS】バンガード・米国資本財セクターETF (34.5%)
  • 6位:【VNQ】バンガード・米国不動産セクターETF (34.0%)
  • 7位:【VGT】バンガード・米国情報技術セクターETF (30.9%)
  • 8位:【VOX】バンガード・米国通信サービスセクターETF (22.4%)
  • 9位:【VHT】バンガード・米国ヘルスケアセクターETF (21.0%)
  • 10位:【VPU】バンガード・米国公益事業セクターETF (17.2%)
  • 11位:【VDC】バンガード・米国生活必需品セクターETF (12.8%)

2021年はエネルギー・金融・素材セクターが大きなリターンを出しています。どれも景気に左右されやすいシクリカルセクターなので、ボラティリティに注意が必要です。

景気敏感セクターは外的要因を受けやすいので長期投資には向きません。2022年はテーパリングの影響により、米国市場は調整局面を迎える公算が大きいです。

調性局面では株価が大きく変わる可能性があるので、今のうちにポートフォリオを見直しておくと良いでしょう。

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