これから投資を始める方におすすめしたい金融商品が「ETF」です。ETFは個別株とは異なり、手軽に分散投資をすることができます。
例えばS&P500指数に連動した「VOO」は米国企業の大型企業500社で構成されているので、分散能力がとても高いといえます。他にも米国市場に上場している4,000社で構成されている「VTI」やナスダック100で構成されている「QQQ」などが人気です。
ETFを販売している運用会社は「バンガード」「ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ」「ブラックロック」があります。特にバンガードとステート・ストリートが運用しているETFは経費率が低く、種類も豊富なので人気があります。
今回は楽天証券で購入することができる「ステート・ストリートETF(21種類)」について解説します。
ステート・ストリートETF(21種類)
ステート・ストリートが運用するETF(21種類)について「主要ETF」「配当ETF」「セクターETF」「グロースETF・バリューETF」4つのカテゴリーに分けて解説します。
主要ETF(6種類)
米国の代表的な指数に連動したETFはこちらです。
- 【SPY】SPDR S&P500ETF
- 【SPLG】SPDRポートフォリオS&P500ETF
- 【DIA】SPDR ダウ工業株平均ETF
- 【SPMD】SPDRポートフォリオS&P400中型株式ETF
- 【SPSM】SPDRポートフォリオS&P600小型株式ETF
- 【SPTM】SPDRポートフォリオS&P1500コンポジット・ストック・マーケットETF
●【SPY】SPDR S&P 500ETF→米国を代表する500社で構成
●【SPLG】SPDRポートフォリオS&P500ETF→SPYと同じく米国を代表する500社で構成
●【DIA】SPDRダウ工業株平均ETF→ダウ採用銘柄30社で構成
●【SPMD】SPDRポートフォリオS&P400中型株式ETF→米国企業400社で構成
●【SPSM】SPDRポートフォリオS&P600小型株式ETF→米国企業600社で構成
●【SPTM】SPDRポートフォリオS&P1500コンポジット・ストック・マーケットETF→米国企業1,500社で構成
ステートストリートが運営しているETFでまず最初に紹介するのが「SPY」です。SPYはS&P500指数に連動したETFとなっており、運用資産は4200億ドルをこえており世界最大です。バンガードが運営するS&P500指数に連動した「VOO」の2700億ドルを大きく上回っています。
「SPLG」は「SPY」と同じくS&P500指数に連動したETFとなっています。特徴はSPYと比べると「1株あたりの株価が安い」ことです。
SPYは1株あたり470ドルで、購入には約54,000円が必要になります。一方でSPLGは1株あたり55ドルなので、約6,000円で購入可能です。リターンは変わらないので、SPLGはSPYやVOOの廉価版だと言えます。
DIAはダウ平均株価指数に連動したETFとなっています。ダウは「Microsoft」「アップル」「ゴールドマンサックス」など米国を代表する30社で構成されています。1社あたりの比率が高いので分散能力はS&P500を大きく下回ります。
過去5年間株価推移は以下の通りです。

前述したように「SPLG」と「SPY」は同じS&P500指数に連動しているので、リターンはほとんど変わりないです。一方で「DIA」は過去5年間でS&P500を下回るリターンとなっています。
多くの企業に分散したいのであれば「SPTM」などもおすすめです。SPTMは米国1,500社で構成されていて、米国市場の90%をカバーすることができます。
配当ETF(2種類)
配当能力に優れたETFはこちらです。
- 【SDY】SPDR S&P米国高配当株式ETF
- 【SPYD】SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF
●【SDY】SPDR S&P米国高配当株式ETF→20年以上連続で増配している114社で構成
●【SPYD】SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF→S&P500採用銘柄のうち配当利回りが高い80社で構成
配当金を目的としたETFであればSDYとSPYDがおすすめです。SDYは20年以上連続で増配している114社で構成されています。配当利回りは2.69%となっており、バンガードが運営するVIGより高く、VYMと同水準の利回りとなっています。
VIGとVYMに関する記事はこちらです。
SPYDはS&P500採用銘柄のうち配当利回りが高い80で構成されています。配当利回りは「SDY」、「VYM」を上回る3.78%となっています。配当利回りが高い企業で構成されているので、減配のリスクがあるので注意が必要です。
SPYDに関する記事はこちらです。
過去5年間の株価推移は以下の通りです。

どちらも配当能力は高いですが、株価の成長は低水準となっています。SPYは過去5年間で株価は+241.17ドル(106.14%)でおよそ2倍に成長していますが、SDYは+43.90ドル(50.84%)、SPYDは+7.67ドル(21.73%)となっています。
配当金は考慮していませんが、それでもS&P500に大きく差を広げられています。
セクターETF(11種類)
セクターごとに投資ができるETFはこちらです。
- 【XLK】テクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド
- 【XLV】ヘルスケア・セレクト・セクターSPDRファンド
- 【XLP】生活必需品セレクト・セクターSPDRファンド
- 【XLC】コミュニケーション・サービス・セレクト・セクターSPDRファンド
- 【XLU】公益事業セレクト・セクターSPDRファンド
- 【XLF】金融セレクト・セクターSPDRファンド
- 【XLE】エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド
- 【XLY】一般消費財セレクト・セクターSPDRファンド
- 【XLI】資本財セレクト・セクターSPDRファンド
- 【XLB】素材セレクト・セクターSPDRファンド
- 【XLRE】不動産セレクト・セクターSPDRファンド
●【XLK】テクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド→米国・情報技術セクターの75社で構成
●【XLV】ヘルスケア・セレクト・セクターSPDRファンド→米国・ヘルスケアセクターの64社で構成
●【XLP】生活必需品セレクト・セクターSPDRファンド→米国・生活必需品セクターの32社で構成
●【XLC】コミュニケーション・サービス・セレクト・セクターSPDRファンド→米国・通信サービスセクターの27社で構成
●【XLU】公益事業セレクト・セクターSPDRファンド→米国・公益事業セクターの28社で構成
●【XLF】金融セレクト・セクターSPDRファンド→米国・金融セクターの65社で構成
●【XLE】エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド→米国・エネルギーセクターの21社で構成
●【XLY】一般消費財セレクト・セクターSPDRファンド→米国・一般消費財セクターの63社で構成
●【XLI】資本財セレクト・セクターSPDRファンド→米国・資本財セクターの73社で構成
●【XLB】素材セレクト・セクターSPDRファンド→米国・素材セクターの28社で構成
●【XLRE】不動産セレクト・セクターSPDRファンド→米国・不動産セクターの29社で構成
米国株は11種類のセクターいずれかに分類されており、同じセクターに分類されている企業は景気によって同じような値動きをする傾向があります。景気は「好況期→後退期→不況期→回復期」の順番で循環しているので、短期的に価格が変わりやすい傾向があります。
セクターに関する記事はこちらです。
過去5年間の株価推移は以下の通りです。

グロース・バリューETF(4種類)
グロース株(成長)、バリュー株(割安)にまとめて投資ができるETFはこちらです。
- 【SPYG】SPDRポートフォリオS&P500グロース株式ETF
- 【SPYV】SPDR ポートフォリオS&P500バリュー株式ETF
●【SPYG】SPDRポートフォリオS&P500グロース株式ETF→S&P500のうち、グロース銘柄242社で構成
●【SPYV】SPDR ポートフォリオS&P500バリュー株式ETF→S&P500のうち、バリュー銘柄431社で構成
グロース株は売上や利益の成長率が高く、長期的に大きな成長が期待できる銘柄のことです。GAFAMやテスラ、エヌビディアなどの大型企業で構成されているので将来にわたり大きく株価上昇が期待できます。
一方で株価が割高になっている可能性もあります。テスラのPERは335倍となっており、期待以上に株価が上がってしまっている可能性もあります。
バリュー株は企業価値に対して、株価が割安になっている銘柄のことです。目安としてはPERが15~20倍程度です。ファイザー、ロッキードマーチン、MMMなどが該当しています。
割安で入手することができれば、適正価格になったときに大きなリターンをえることができます。それでも割安で放置されているのには理由があるので投資には注意が必要です。
過去5年間の株価推移は以下の通りです。

株価の成長は「SPYG」が大きくアウトパフォームしています。長期的な成長が期待できる銘柄で構成されているので、リターンも大きくなっています。特にGAFAM+テスラは過去5年で大きく成長しています。
長期的にも短期的にも保有に適したETFだと思います。
まとめ
今回は楽天証券で購入可能な「ステートストリートETF(21種類)」について、「主要ETF」「配当ETF」「セクターETF」「グロースETF・バリューETF」4つのカテゴリーに分けて解説しています。
それぞれのETFの特徴は以下の通りです。
- 主要ETF→米国を代表する500社や市場全体の90%をカバーできる
- 配当ETF→継続的な配当金を受け取ることができる
- セクターETF→特定のETFに投資することで短期的な成長ができる
- グロース・バリューETF→長期的にも短期的にも大きなリターンが期待できる
今回紹介した21種類のETFはすべて楽天証券で購入可能となっています。代表的なETFである、「SPY」の運用資産は世界最大となっています。しかし1株あたりの株価は470ドルで買いづらい印象があります。そこで同じS&P500指数に連動した「SPLG」に投資することもおすすめです。
SPLGはSPYやVOOの廉価版としてとても優秀です。1株あたり55ドルなので、6,000円程度で米国を代表する500社に投資することができます。
それぞれの特徴を理解してETF投資をしてみてください。
▼【初心者向け】米国株配当ETF13銘柄に関する記事はこちらです。

▼【ETF】高配当ETFのVIGとVYMに関する記事はこちらです。
