現地時間9月23日に【T】AT&Tが配当金の据え置きを発表しました。
連続増配は35年で止まり、配当貴族から外れることになりました。
1株あたりの配当は2020年と同額の0.52ドル(年間2.08ドル)となっています。
1株あたりの配当と増配率
1株あたりの配当と増配率は以下の通りです。

AT&Tは35年間連続で増配しています。
1株あたりの配当金は右肩上がりに成長していますが、2021年はついに据え置きとなりました。
増配率は毎年2%台を維持していましたが、2021年は据え置き(0%)となっています。
配当利回りは7.67%とかなり高い水準となっていますが、AT&Tはワーナーメディアをスピンオフする一環として、配当を減らす計画をたてています。
スピンオフ後の配当利回りは3~4%前後になる見込みで現在から半分近く下がる予定になっています。
株価推移
AT&Tは過去5年間で株価を大きく下落させています。

過去5年間の株価は-13.48ドル(-33.19%)となっています。
配当金を再投資しても-10%なので、S&P500の同期間のリターン(120%)を大きく下回っています。
【VZ】ベライゾンコミュニケーションズと【TMUS】Tモバイルと比較するとTモバイルの一人勝ちとなっています。

ベライゾンコミュニケーションズとAT&Tは過去5年間でほとんど株価が上昇していません。
一方でTモバイルは177%の成長をしています。
しかしTモバイルは配当金を出していないので、再投資を考慮しておりません。
通信事業はAT&T、ベライゾンコミュニケーションズ、Tモバイルの3社で市場を独占しています。
業績推移
AT&Tの過去5年間の財務実績は以下の通りです。

AT&Tの業績は売上は大きく変わりませんが、純利益が2017年をピークに減少しています。
通信事業ではベライゾンコミュニケーションズやTモバイルと激しい顧客の奪い合いをしています。
iPhone13の発売に合わせて各社はキャンペーンをうちだしています。
AT&TとTモバイルは対象製品の下取りと無制限データプラン契約を条件にiPhone13無料で提供します。
ベライゾンコミュニケーションズは最大800ドルの特典を提供する予定です。
米国の通信事業は寡占市場で新規参入は難しい状況が続いているので、価格や付加サービスで各社違いを出しています。
At&Tの営業キャッシュフローマージンは23~25%前後で推移しています。
株価収益率(PER)は11.12倍なのでかなり割安です。
減配にはなりますが、配当利回りは3~4%前後になることを考えれば掘り出しものかもしれません。
まとめ
現地時間9月23日に【T】AT&Tが配当金の据え置きを発表しました。
連続増配は35年で止まり、配当貴族から外れることになりました。
1株あたりの配当は2020年と同額の0.52ドル(年間2.08ドル)となっています。
AT&Tの株価は5年間で-13.48ドル(-33.19%)となっています。配当利回りは7%をこえておりますが、スピンオフにより今後は3~4%前後になる見込みです。
PERは11.12倍なので、割安で手に入れらる状態になっています。
通信事業に経営を集中させることで、自社株買いや負債返済をするための財務上の柔軟性を手に入れることができます。
同社のバランスシートが改善されることで、投資家が株式を高く評価する可能性が大いにあることから、現在の株価を考慮するとAT&Tは掘り出し物のように見えます。
それでも今後は減配や無配の可能性もありますので、投資は慎重に行っていきましょう。
それではまたお会いしましょう。
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