これから投資を始める方におすすめしたい金融商品が「ETF」です。ETFは個別株とは異なり、手軽に分散投資することができます。
例えばS&P500に連動した「VOO」は米国企業の大型企業500社で構成されているので、分散能力がとても高いです。他にも上場企業4,000社で構成されている「VTI」やナスダック100で構成されている「QQQ」が人気です。
ETFを販売している運用会社は「バンガード」や「ブラックロック」などがあげられます。特にバンガード社が運用しているETFは経費率が低く、種類も豊富なので人気があります。
投資初心者におすすめしたいバンガードETFに関する記事はこちらです。
今回は全世界に分散されたETFと米国で構成されたETFについて徹底比較していきます。
全世界株ETFと米国株ETFについて
全世界株と米国株はどちらに投資をすればいいか疑問に思う人が多いと思いますが、結論どちらでもいいと筆者は思います。
これまで米国が世界経済をけん引してきましたが、50年先も同じ状況になっているかは誰もに予想できません。
【VT】【VTI】概要
ETFは特定の指数や条件にあった銘柄で構成されています。
VTとVTIの概要は以下の通りです。
ティッカーシンボル | VT | VTI |
名称 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF |
構成銘柄数 | 9,256社 | 4,127社 |
設定日 | 06/26/2008 | 05/31/2001 |
純資産(単位B:10億) | 26.285B | 296.567B |
直近配当利回り | 2.96% | 1.46% |
経費率 | 0.08% | 0.03% |
配当月 | 3,6,9,12 | 3,6,9,12 |
1年トータルリターン | 15.26% | 21.53% |
3年トータルリターン | 18.89% | 23.49% |
5年トータルリターン | 13.95% | 17.32% |
●【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETF→世界中の有名企業約9,200社で構成
●【VTI】バンガード・トータル・ストック・マーケットETF→米国の上場企業約4,100社で構成
VTは世界中の有名企業約9,200社で構成されています。先進国や新興国など幅広く分散されているのが特徴です。株価は過去5年間で+43.74ドル(70.11%)となっています。
VTIは米国の上場企業約4,100社で構成されています。米国の上場企業をまとめて投資をすることができるETFとなっています。株価は過去5年間で+118.02ドル(100.95%)となっています。
株価比較
VTとVTIの過去5年間株価推移は以下の通りです。

前述したように株価はVTIが30%以上アウトパフォームしています。過去5年間は米国が世界経済をけん引していたので、世界中に分散投資するより、米国の比重を高めていた方がリターンは大きくなっています。
一つに国に集中投資するリスクを考えれば、世界中に分散できるVTを投資先に選択するのが賢明かもしれません。
【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETF
【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETFは世界中の有名企業約9,200社で構成されています。
VTの特徴は以下の通りです。
- 世界中の有名企業約9,200社で構成
- 米国株が全体の5割を占めている
- 株価はVTIをアンダーパフォームしている
- セクター別構成比率は情報技術セクターが21%でトップ
【VT】構成銘柄
【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETFの構成銘柄は以下の通りです。
ティッカー | 社名 | セクター | 構成比率 |
AAPL | アップル | 情報技術セクター | 3.2% |
MSFT | マイクロソフト | 情報技術セクター | 3.0% |
AMZN | アマゾン | 一般消費財セクター | 1.8% |
TSLA | テスラ | 一般消費財セクター | 1.1% |
GOOGL | アルファベット | 通信サービスセクター | 1.0% |
FB | メタ・プラットフォームズ | 通信サービスセクター | 1.0% |
GOOG | アルファベット | 通信サービスセクター | 1.0% |
NVDA | エヌビディア | 情報技術セクター | 0.8% |
JPM | JPモルガン | 金融セクター | 0.6% |
BRK.B | バークシャー・ハサウェイ | 金融セクター | 0.6% |
VTは世界中の企業約9,200社に分散投資をしているので、構成比率は1%以下の銘柄がほとんです。米国企業が全体の50%を占めているので、トップ10は米国株となっています。
【VT】セクター別構成比率
【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETFのセクター構成比率は以下の通りです。

VTのセクター別構成比率は情報技術セクターが全体の2割を占めており、金融、一般消費財、ヘルスケア、資本財セクターが10%を超えています。9,200社に分散されているので、セクターもバランスが取れた構成となっています。
セクターに関する記事はこちらです。
【VT】国別別構成比率
【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETFの国別比率は以下の通りです。

VTの国別構成比率は米国が全体の5割強を占めており、日本、イギリス、中国を合わせると全体の70%を超えています。全世界に分散していますが、米国の比率が高くなってることを考えると、世界経済をけん引していることがわかります。
【VT】1株あたりの配当と増配率
【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETFの1株あたりの配当と増配率は以下の通りです。

VTの1株あたりの配当金は2020年に減配していますが、右肩上がりに成長しています。インカムゲインとキャピタルゲインの両方を期待できるETFだと言えます。
【VTI】 バンガード・トータル・ストック・マーケットETF
【VTI】バンガード・トータル・ストック・マーケットETFは米国の上場企業約4,100社で構成されています。
VTIの特徴は以下の通りです。
- 米国の上場企業約4,100社で構成
- 経費率は驚異の0.03%
- 株価はVTをアンダーパフォームしている
- セクター別構成比率は情報技術セクターが27%でトップ
VTIは米国の上場企業約4,100社で構成されているので、ほぼすべての企業に分散投資することができます。経費率は0.03%なので長期的な運用に適しているといえます。
株価のリターンは過去5年間でVTを30%近く上回っています。
【VTI】構成銘柄
【VTI】バンガード・トータル・ストック・マーケットETFの構成銘柄は以下の通りです。
ティッカー | 社名 | セクター | 構成比率 |
AAPL | アップル | 情報技術セクター | 5.7% |
MSFT | マイクロソフト | 情報技術セクター | 5.0% |
AMZN | アマゾン | 一般消費財セクター | 3.0% |
GOOGL | アルファベット | 通信サービスセクター | 1.8% |
TSLA | テスラ | 一般消費財セクター | 1.7% |
FB | メタ・プラットフォームズ | 通信サービスセクター | 1.7% |
GOOG | アルファベット | 通信サービスセクター | 1.6% |
NVDA | エヌビディア | 情報技術セクター | 1.4% |
BRK.B | バークシャー・ハサウェイ | 金融セクター | 1.2% |
JPM | JPモルガン | 金融セクター | 1.1% |
VTIは米国企業約4,100社に分散投資をしているので、構成比率は1%以下の銘柄がほとんです。GAFAMの比率は全体の18%前後となっています。
GAFAMの比率を高めたい場合は「QQQ」などがおすすめです。
【VTI】セクター別構成比率
【VTI】バンガード・トータル・ストック・マーケットETFのセクター構成比率は以下の通りです。

VTIのセクター別構成比率は情報技術セクターが全体の25%以上を占めており、ヘルスケア、一般消費財、金融セクターが10%を超えています。VTと比べるとハイテク銘柄の構成が大きくなっています。
【VTI】1株あたりの配当と増配率
【VTI】バンガード・トータル・ストック・マーケットETFの1株あたりの配当と増配率は以下の通りです。

VTIの1株あたりの配当金は2012年に減配していますが、右肩上がりに成長しています。
まとめ
今回は全世界株と米国株について比較してきました。
【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETFは世界中の有名企業約9,200社で構成されています。先進国や新興国など幅広く分散されているのが特徴です。株価は過去5年間で+43.74ドル(70.11%)となっています。
米国だけではなく世界中の企業に分散することができるETFです。
【VTI】バンガード・トータル・ストック・マーケットETFは米国の上場企業約4,100社で構成されています。米国の上場企業をまとめて投資をすることができるETFとなっています。株価は過去5年間で+118.02ドル(100.95%)となっています。
米国の上場しているすべての企業に分散することができるETFです。
どちらのETFも低コストで運用することができるので投資初心者にもおすすめです。
ETFを選ぶ参考にしてください。
▼【初心者向け】米国株配当ETF13銘柄に関する記事はこちらです。

▼【ETF】高配当ETFのVIGとVYMに関する記事はこちらです。
